須賀秀文 5/29

フィクション世界の朝と夜

水は蒸発しいずれはここに戻る


塗り絵に色を与えては

白黒で良かったのに…なんて


押入れの埃を被ったアルバムの

少し大人びた少年と

それを見ている私との間には

無数の選択肢が眠っている

2人を繋ぐ直線の道には

迷い迷った足跡がある


ふと隣を見れば

大人の私が忙しそうで

おもむろに今の私を写真に撮る


あの頃の未来に僕らは立っているのかな


この写真には、きっと無数の道が写っているのだろう