須賀秀文 6/7

途中で、こけちゃいました


少し肌寒い氷河期が来ました

窓の外ではリンゴ売り

氷の世界         



《都に雨の降るごとく》


都にの降るごとく

わが心にも涙ふる。

心の底ににじみいる

この侘しさは何ならむ。

大地(たいち)に屋根に降りしきる

のひびきのしめやかさ。

うらさびわたる心には

おお 雨の音 雨の歌。

かなしみうれふるこの心

いはれもなくて涙ふる

うらみの思(おもい)あらばこそ

ゆゑだもあらぬこのなげき。

恋も憎(にくみ)もあらずして

いかなるゆゑにわが心

かくも悩むか知らぬこそ

悩(なやみ)のうちのなやみなれ。


ヴェルレエヌ作

鈴木信太郎